これまで、直系の皇太子と傍系の皇嗣の違いについて、
何回か触れて来た。
一言で言えば、皇太子は次の天皇になられることが
確定しているお立場であるのに対して、傍系の皇嗣はその時点で
皇位継承順位が第1位であるだけの、不確定的なお立場に
過ぎないということ。
だから皇太子が外出される場合は「行啓」という、
皇后などだけに使われる特別な表現が用いられるのに対して、
傍系の皇嗣なら一般の皇族と同じく「お成り」。
ここで付け加えておきたいのは、お住まいの呼び方。
皇太子なら「東宮御所(とうぐうごしょ)」で、
“…御所”というのは、天皇のお住まいに準じた呼び方だ
(この場合の「東宮」は皇太子を意味する)。
これに対して、傍系の皇嗣でいらっしゃる秋篠宮殿下のお住まいは、
皇嗣になられる前の「秋篠宮邸」のまま。大掛かりな改修工事を実施し、
建物自体は遙かに広く大きくなっても、呼び方は同じ。
他の宮家とも同じ呼び方だ。
“皇嗣御所”などという呼び方はしない。
皇太子なら「天皇」のお住まいに準じた呼び方で、
傍系の皇嗣なら「一般の宮家」と同じ呼び方。
改めて振り返ると、大きな違いだろう。
余り気付かれていないようだが、こんなところにも、
両者の違いがハッキリと示されている。
この違いは、(前代未聞の!)「立皇嗣の礼」を挙げられても
挙げられなくても、全く変わらない。
念のため。
追記
①7月23日に開催されたイベント「愛子さまを皇太子に」
を紹介した記事が8月18日にnippon.comに公開され、
同21日Yahoo!ニュースにも配信された。
■記事URL
https://onl.tw/HLVggCT
②今月のプレジデントオンライン「高森明勅の皇室ウォッチ」は
8月25日午前8時に公開予定。
いつも通り同日、Yahoo!ニュースでも配信される。